年齢と共に少しずつ大きくなっていってしまったシミ

30代を過ぎた頃だったろうか、右目の下辺りに小さなシミを発見した。うわっ、まだこの年でシミになってしまったと思ったものだ。

当時は一生懸命、化粧でこまかそうと思い、ファンデーションを何層にも分けて重ね塗りをしていた。時にかさぶたを剥がすように引っかいたり、かなり荒いやり方でシミを取ろうとしたりもしていたが、そんなことでは到底ごまかし切れなくなるぐらい大きく育ってしまった。

シミが育つなんてわからなかった時はあんなに必死に取ろうと思っていたのだが、育つことを知ってからはすっかり無駄な抵抗をしなくなってしまった。しかし唯一の抵抗として、なるべく髪の毛でごまかそうとしていた。なるべく右側の髪の毛を垂らすような形のヘアスタイルを好んだ。そうすれば髪の毛に隠れてシミが目立って見えることはないからだ。

でも髪の毛が長いと結局邪魔になり耳にかけたりしてしまう。耳にかけたりしたら当然シミはばっちり見えてしまっていた。年を重ねるとシミが見えることより暑いことの方が耐えられなくなり、気付けばシミを放置するようになっていた。

美容にこだわっていたはずなのに、人間というものは老化をすると美容の精神までも廃れてしまうものなのだと思った。老いというものは見た目だけでなく精神構造までも変えてしまうものなのだと痛感してしまった。

しかしながらこのままでは身だしなみを気にしなくなっていってしまうようで怖く感じ、今はなるべく鏡を見ることを習慣にしている。現実の姿を日々直視できるようにしておくことが大事だと思うからだ。